「リック、かわいい。ここピンクなんだ」
くんにゃりと広げられた脚の間、染めたようなブロンドの短髪がちらちらと光に反射して眩い。明かりを消してくればよかった。間抜けな格好で陰部を女の子に見られていることに、リックはいまになってようやく恥ずかしさを感じ始めていた。
女の子ことダニーは、健康的に日焼けした顔を覗かせて「舐めてもいい? 綺麗にしてきただろ」とあけすけに言った。いいともだめとも言わないうちに、ちいさな舌がつぷ、とアナルに差し込まれる。浅いところでちゅぷちゅぷうごめくそれに、いつもクリフからされる愛撫よりずっと拙い動きだっていうのに翻弄されてしまう。そう、クリフ。おれにはクリフっていう恋人がいるのに。なんだってダニーと。
「いまクリフのこと考えてただろ」
図星をつかれてビクッと肩を震わせる。
「だめ、おれのこと見ててよ」
女の子なのに、おれだなんて。けれど、ダニーは元傭兵の男勝りなサバサバした子だったから、その言い方は似合っていた。
彼女はおれの顔をじっと見て、まるで考えていることがわかるみたいに目線をなぞると、よし、と納得してから舌の動きを再開させた。ちゅぷ、ちゅぶ、と水音が大きく響いて耳を犯す。とろとろと温かい唾液が流れ込んできて、どんどんなかが柔らかくなっていくのを感じる。ダニーもそれは感じ取ったみたいで、今度は中指を一本ねじ込んできた。くにゅ、くにゅう、と探る動きでもって前立腺を刺激する。慣れているのか、やたらとなぞりが的確だ。
「ンっ……ふぅ、う、」
声を噛み殺そうとしたら、ダニーが人差し指で唇をタッチして「リックの声、聞かせて」と囁く。それがクリフの言い方そっくりだったもんだから、油断して「ああん」と大声で喘いでしまった。「かわいい」と彼女が目を細めている。獲物をいたぶる捕食者の目。そういえば、ライオンがウサギを狩るときってかわいいかわいいと思ってるうちに殺しちまうとかなんとか。何処で聞いた話か忘れてしまったけれど、いまの自分の状況はまさにそれだなと思う。
「考え事してる余裕あんだな」
ぐり、と腹の中側をこじられて、もうなかに指が三本も入れられていることに気づく。ぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅ、確実にイかせようとするスピードと動き。待ってくれ、なか、そんな激しくされたら──。
ピン、と足の甲が突っ張って、身体が言うことを聞かなくなったみたいにびくびく痙攣する。ガクガク震えるおれを見てダニーは嬉しそうに微笑んだ。
「ああ、リック、かわいい。美味しそう」
ほんとは最後までやる気なかったけど、無理。と、ダニーはカーゴパンツと下着を脱ぎ去ってしまう。そして、なにやら革のベルトのようなものと……あれは、ディルド。ディルドだ。後で知ったが、ペニスバンドとかいうものらしい。それを装着しておれの股ぐらに陣取った。
「クリフのこと考えてていいから」
そう言って、一気にペニスを挿入した。
「ひぃ……!」
ばつんばつん肌のぶつかる音の合間に、ぶちゅ、と疑似ペニスが出入りする水音。太さも長さもクリフには敵わなかったけれど、それなりの大きさのモノを咥えこまされて息も絶え絶えだった。なのに、ダニーのいい動きと的確に前立腺を捏ねられるなぞりで、おれは快楽の渦のなかにいるみたいだった。
「はあ、あ、ッんん」
「気持ちいい? おれも気持ちいいよ」
まるで男と浮気してるみたいだな、と思った。けど、それは一瞬の気の迷いで、視線を上げれば相手は立派な胸のついた女の子なのだった。おれの腹にはペニスが入ってるのに。混乱しそうだ。すると、ダニーはおれをゆるく抱きしめてきた。でかい胸が枕になって気持ちいい。律動の大きさがゆるやかになって、代わりに一突きが細かく強くなった。
「ッあ、だにー……」
そうして抱きしめられたまま、プールの波にたゆたうような浮遊感のある絶頂を感じていた。彼女の名前を呼んで。
「うん、いるよ。気持ちよかったな」
母親が子どもにするみたいに、ダニーはおれの髪を撫ぜながらゆるゆると動く。イったばっかりの身体を刺激されて、次々イくのが止まらない。上り詰め続けているような感覚だった。思わずダニーの胸にぐりぐりと顔を擦りつける。生理的な涙が出て胸元を濡らしたけれど、彼女はやさしく許してくれた。こればっかりは、クリフとのセックスじゃ味わえないな、なんてちょっと思ったのは内緒だ。
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続きをHoneyさんが書いてくださいました!:ロイには内緒